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2021年2月19日

作品紹介

オンデマンド印刷をご利用いただいたお客さまの作品をご紹介させていただきます。

作品情報



タイトル夜の中、ふたりきり
著者冬川宵さま
サークル名 シグリア



はじめに

今回ご紹介させていただくのは、A6サイズの作品です。



穏やかな夜の時間を連想させてくれるような、美しい仕上がり。

こちらは「ふたりきりで過ごす夜」をテーマにした短編集。
作者様は、どの話にも合うように、シンプルかつロマンチックな雰囲気にしたいと考え、
紙選びも含めて、装丁のデザインを組み立てていったそうです。



ここがポイント!

箔押し加工

表1側、月とタイトル部分に「つや消し銀2Bシルバー」の箔が使用されています。

こちらは、星や月の淡い光や、恋人同士のささやきをイメージ。
凛とした白銀の輝きは、黒色背景の中で繊細ながらも強い存在感を放ちます。
文字のフォントも美しいですね。

また、「夜」という時間の空気感をマットPPで表現。
PPのしっとりした質感によって、背景色も上品でやわらかい印象に。
表紙のデザインにもマッチしていますね。
ずっと眺めていたくなるような、そんな心地よさを感じました。




表紙用紙と遊び紙の組み合わせ

表2と遊び紙

表表紙をめくると現れるのは、「ファンタス_ブラック_200K」の加工面と、
巻頭の遊び紙「新アトモス_プラチナ_90K ※加工面外側」。(※画像クリックで拡大)

表1-4の穏やかな黒色とは一転、ファンタス_ブラックの鏡のような艶のある漆黒が物語を包みます。
こちらはファンタスの加工面で、夜の窓ガラスをイメージされたそうです。
とてもロマンチックですね。


また、巻頭の遊び紙でカーテンやシーツを表現。
用紙のラフで優しい風合いが印象的です。
作者様自身、用紙のやわらかなマーブル模様が月面のようにも見え、作品のイメージにぴったりだと感じられたそうです。
ファンタスの加工面とのコントラストも素敵ですね。



表3と遊び紙

巻末にご使用いただいたのは、「ミランダ_あい_100K ※ラメ面外側」の遊び紙。(※画像クリックで拡大)

きらきらと輝くラメは、まるで満天の星空のよう。
美しい輝きが、物語の最後を彩ります。

ミランダのラメ面を外側(表3側)にしているところも、作者様のセンスが光ります。
本文が読み終わった時は落ち着いた藍色の用紙が見え、それをめくると満天の星空(ラメ面)がパッと現れるという仕掛け。
ファンタスの加工面にミランダのラメ面が映り込むところも、
「星空を窓ガラス越しに見ているようにみえるかな」という思いから。


紙の特徴や作品の見え方について、丁寧に考えられていることが伺えます。
用紙や加工、デザインひとつひとつに思いが込められていて、とても素敵だなと感じました。


本日は冬川宵さまの作品「夜の中、ふたりきり」をご紹介させていただきました。